胡散臭い豊臣秀吉の刀と諱(いみな)の話
いつものようにネタを探していた所、
『【売る】「秀吉の日本刀」 重い過去、50億円? 延吉(中国)』
という朝日の記事を見つける。
『【売る】「秀吉の日本刀」 重い過去、50億円? 延吉(中国)』
という朝日の記事を見つける。
中身はというと、朝日新聞の中国総局員の記者が
中国人女性と結婚して暮らす韓国人の人に家宝の刀を
見せられ柄の部分に「豊臣秀吉」、「加藤清正」との漢字が
見えたそうだ。
本人曰く、
「16世紀、秀吉の朝鮮出兵の際、清正に送られたものが
朝鮮半島で人づてに伝わったに違いない」とおっしゃっており
「日本の方にぜひとも買ってもらいたい。
『朝鮮侵略』という日本の過去を示すものです。
失敗したとはいえ、自らの悪い歴史の証拠を
早く回収した方がいい」
と刀の売込みをかけられ「4億元(約50億円)」と
法外な値段を吹っ掛けられたというお話。
学の無いわたくしにはこの話の刀が本物か
どうかわからないのだが、
同じような疑問を持った人がいたらしく
大手質問サイト「OKWave」でこの記事の
刀の話を質問していた。
日本には、刀の柄に「人の名」や「拝領した自分の名」を
書くような文化は無い。
小学生の彫刻刀じゃないのだから所有者の名前は書かない。
この程度のものだったら、宝塚の胡本新古美術店に
行ったらたくさんある。
などの回答のおかげで朝日の記事の刀がツッコミどころ満載の
あきらかな贋物だとわかった。
ちなみに刀に名を書くのは刀鍛冶で一体いつから秀吉や清正は
刀鍛冶になったんだというツッコミも調べていたらあった。
わかるひとには「豊臣秀吉」、「加藤清正」と書かれている時点で、
贋物だとわかったらしい。
「世の中に豊臣秀吉という人はいません。
そもそも豊臣秀吉という呼び方はしません。
自らは羽柴筑前守ないし羽柴秀吉です。
贈られる側も加藤清正などと書かれたら刃傷沙汰です。
加藤主計頭と書かれるはずです。」
という回答それで、加藤清正と書かれていた時点でわかったようだ。
「世の中に豊臣秀吉という人はいません」ということに関しては
ウィキペディアの豊臣氏に詳しいのでそちらを見てもらうとして、
わかったのは諱(いみな)が使われていたからのようだ。
諱(いみな)とはその人個人の正式名称のことであり、
秀吉とか清正とかがこれにあたる。
当時の人が諱を使うのは滅多に無く朝廷や正式行事の
場合ぐらいしかなかったそうだ。
公文書などでは官名を使うそうで、下賜された刀を
貰い受ける場合は「加藤清正」ではなく「加藤主計頭」で
貰い受けるし、少なくとも下賜された刀に持ち主の名前を
書く場合(書くことなど無いらしいが・・・)、
「加藤主計頭」と書かなければならず、
加藤清正などと書くことは当時の習慣から絶対に無いそうだ。
記事を読んでここら辺の事情を知っている人は
すぐに贋物だってわかったらしい。
夏休みにアジア方面に旅行に行く人も多いだろうから
朝日の記事のような売込みがあるかもしれない。
歴史の教科書に載っているような諱(いみな)で
書かれている場合はまず贋物なので気をつけましょう。
そもそもそんな形で売りつけてくるような刀は
旧日本軍の使っていた軍刀で、
大量に作られていてほとんど価値の無いものだそうだ。
しかし天下の朝日新聞の記者がこの事情もわからず
「刀が本物かどうか確かめようがない」と書いて、
自分の知識の浅さ披露しているのはいかがなものか・・・。
まあ、そのおかげでこっちは良い勉強になったのだが。
参考にしたサイト。
「秀吉の日本刀」 重い過去、50億円?(OKWave)
時代劇などでの諱呼びについて(OKWave)
諱(いみな)と、字(あざな)の違いを教えてください。
(Yahoo!知恵袋)
そういえば日曜の夕方にツッコミどころ満載の
戦国アニメがやっているね。

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中国人女性と結婚して暮らす韓国人の人に家宝の刀を
見せられ柄の部分に「豊臣秀吉」、「加藤清正」との漢字が
見えたそうだ。
本人曰く、
「16世紀、秀吉の朝鮮出兵の際、清正に送られたものが
朝鮮半島で人づてに伝わったに違いない」とおっしゃっており
「日本の方にぜひとも買ってもらいたい。
『朝鮮侵略』という日本の過去を示すものです。
失敗したとはいえ、自らの悪い歴史の証拠を
早く回収した方がいい」
と刀の売込みをかけられ「4億元(約50億円)」と
法外な値段を吹っ掛けられたというお話。
学の無いわたくしにはこの話の刀が本物か
どうかわからないのだが、
同じような疑問を持った人がいたらしく
大手質問サイト「OKWave」でこの記事の
刀の話を質問していた。
日本には、刀の柄に「人の名」や「拝領した自分の名」を
書くような文化は無い。
小学生の彫刻刀じゃないのだから所有者の名前は書かない。
この程度のものだったら、宝塚の胡本新古美術店に
行ったらたくさんある。
などの回答のおかげで朝日の記事の刀がツッコミどころ満載の
あきらかな贋物だとわかった。
ちなみに刀に名を書くのは刀鍛冶で一体いつから秀吉や清正は
刀鍛冶になったんだというツッコミも調べていたらあった。
わかるひとには「豊臣秀吉」、「加藤清正」と書かれている時点で、
贋物だとわかったらしい。
「世の中に豊臣秀吉という人はいません。
そもそも豊臣秀吉という呼び方はしません。
自らは羽柴筑前守ないし羽柴秀吉です。
贈られる側も加藤清正などと書かれたら刃傷沙汰です。
加藤主計頭と書かれるはずです。」
という回答それで、加藤清正と書かれていた時点でわかったようだ。
「世の中に豊臣秀吉という人はいません」ということに関しては
ウィキペディアの豊臣氏に詳しいのでそちらを見てもらうとして、
わかったのは諱(いみな)が使われていたからのようだ。
諱(いみな)とはその人個人の正式名称のことであり、
秀吉とか清正とかがこれにあたる。
当時の人が諱を使うのは滅多に無く朝廷や正式行事の
場合ぐらいしかなかったそうだ。
公文書などでは官名を使うそうで、下賜された刀を
貰い受ける場合は「加藤清正」ではなく「加藤主計頭」で
貰い受けるし、少なくとも下賜された刀に持ち主の名前を
書く場合(書くことなど無いらしいが・・・)、
「加藤主計頭」と書かなければならず、
加藤清正などと書くことは当時の習慣から絶対に無いそうだ。
記事を読んでここら辺の事情を知っている人は
すぐに贋物だってわかったらしい。
夏休みにアジア方面に旅行に行く人も多いだろうから
朝日の記事のような売込みがあるかもしれない。
歴史の教科書に載っているような諱(いみな)で
書かれている場合はまず贋物なので気をつけましょう。
そもそもそんな形で売りつけてくるような刀は
旧日本軍の使っていた軍刀で、
大量に作られていてほとんど価値の無いものだそうだ。
しかし天下の朝日新聞の記者がこの事情もわからず
「刀が本物かどうか確かめようがない」と書いて、
自分の知識の浅さ披露しているのはいかがなものか・・・。
まあ、そのおかげでこっちは良い勉強になったのだが。
参考にしたサイト。
「秀吉の日本刀」 重い過去、50億円?(OKWave)
時代劇などでの諱呼びについて(OKWave)
諱(いみな)と、字(あざな)の違いを教えてください。
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